「あたたかさをありがとう!」UNHCRの防寒支援活動のご報告

公開日 : 2023-04-28

この冬、戦禍にあるウクライナや政情不安が続くアフガニスタン、そして2月に大地震が発生したシリアなどで、多くの難民・国内避難民が氷点下にも達する厳しい冬に直面しました。皆様のあたたかいご支援のおかげで、これらの地域で過酷な寒さに苦しんでいた多くの難民・国内避難民に、毛布や防寒具などの援助物資や、シェルター支援、現金給付支援などの防寒支援を届けることができました。
本メールでは心からの感謝の気持ちをこめて、皆様からのご寄付で形となったUNHCRの防寒支援活動の一部をご紹介します。

UNHCRが重点的に届けた防寒支援

防寒用品や燃料などの物資の配布
保温性の高い毛布、防水シート、寝袋、冬用のジャケットなどの物資や防寒用品、部屋を暖める暖房器具や暖房用の燃料、停電時に役立つ発電機の提供など

シェルター支援
破壊された住居の修繕や、雪や雨漏り、浸水などを防ぐためのシェルターの修繕・補強、難民キャンプや居住地の排水システムやその他インフラの改善など

現金給付支援
冬を越すために最も必要な物(燃料、暖房器具、防寒具、医薬品、食費など)を購入したり、世帯ごとの様々なニーズに対応できる現金での支援

ウクライナ

「屋根を修理できたため自宅で安全に暖かく過ごすことができ、とても幸せです。」

ウクライナで援助を受けたリュドミラさん

そう語るウクライナのキーウ州ボロディアンカに住むリュドミラさんは、激しい戦闘で自宅が被害を受けました。収入が少ないため、なかなか壊れた屋根などを修理することができませんでしたが、UNHCRのシェルター支援プログラムを受け、屋根を修理することができました。
UNHCRは2022年9月よりウクライナで防寒支援を開始。2022年12月末までにリュドミラさんのような国内避難民や帰還民、戦争の影響を受けた人々など約156万人に、ジャケットなどの防寒具、フリース製の毛布、寝袋、衛生キット、防水シートなどの緊急援助物資の配布や、破壊された住居・共同シェルターの修繕、現金給付支援などを行いました。

修理される住居
シェルター支援プログラムで修理される住居

また停電対策として、106台の発電機を届けました。中には日本政府の協力により届けられた発電機もありました。おかげで-20℃にも達することがある寒さの中、25万2000人以上が停電時でも暖を取ることができました。またウクライナ周辺諸国のポーランドやブルガリア、ハンガリー、モルドバなどに避難した難民のために、31万5000人分の毛布や防寒具などが入った防寒支援キットが、2022年12月末までに届けられました。

UNHCRが提供した発電機
届けられた発電機
ウクライナで援助物資を受け取る人々
援助物資が配布される様子

アフガニスタン

UNHCRの援助を受けたアフガニスタンの母子
アフガニスタンでの援助物資配布

「UNHCRの支援のおかげで、ストーブを買うことができました。」

深刻な食料危機や経済低迷に苦しむアフガニスタンではこの冬、過去10年で最も厳しい寒さに見舞われました。5人の子どもたちを女手一つで育てるサラさんは、UNHCRからの支援で調理用と暖房用の薪ストーブを購入することができました。「今年の冬は例年より寒いのですが、このストーブがあるので皆暖かく過ごせています。UNHCRからの支援がなければ、とても大変だったと思います。物乞いをしなければならなかったでしょう。UNHCRの支援は、命綱なのです。」
UNHCRは、アフガニスタン国内で暖房が不十分な環境下にある人々や昨年6月に発生した地震の被災者などを対象に、防寒支援プログラムを実施。暖かい衣類や毛布、暖房用の燃料などの援助物資の配布から緊急シェルターの修繕、冬の暖房代や食費、医療費などの生活費を賄う現金給付支援などに取り組み、2022年12月末までに83万9881人に支援を届けました。

シリア

「UNHCRから新しいジャケットをもらえて、とてもうれしいです。」

シリアの国内避難民のアブさん

嬉しそうな表情でそう語るシリアの国内避難民のアブさんは、こう続けます。「古いジャケットはボロボロになってしまったのですが、お金がないので新しいものを買えませんでした。」
UNHCRは2022年11月からシリアで防寒支援を開始。2022年12月末までにアブさんのような国内避難民16万3340人、帰還民24万3211人、難民1万2827人を含む約42万3608人に冬を越すために必要な防寒具、ジャケット、毛布、寝袋、防水シートなどが入った救援キットを届けたほか、シリア国内にいる難民や庇護希望者など1万7057人を対象に現金給付支援も実施しました。また2月に発生したトルコ・シリア大地震の被災者にも、冬用のジャケットや防寒用の衣類セット、ゴム製の長靴などが入った約12万個分の緊急援助物資を届けました。支援は、地震の影響を受けた人々や氷点下の寒さに苦しむ人々の命を守る、重要な支援となりました。

シリアで援助物資を受け取る人々
トラックで輸送される援助物資

レバノン

UNHCR職員と子ども
援助物資を受け取った少年

「防寒支援で、ストーブ用の燃料と3人の子どもたちの防寒着、そして寒さに負けずに学校に通えるように、ブーツを買いました。」

そう語るのは、レバノンに住むシリア難民で3人の子どもたちを育てるファトメさんです。レバノンではこの冬、大寒波により国内各地の難民のシェルターや道路などのインフラが被害に遭いました。そうした中で防寒支援を通じてレバノンの難民は、冬を越すために必要な暖房用の燃料や病気の治療薬、防寒着などを購入することができました。

UNHCR職員からの御礼メッセージ

「皆様のご寄付は、社会経済低迷に苦しむ難民にとって、大きな力となりました」

UNHCRレバノン事務所 准保護官 森田菜摘

森田職員

皆様からのあたたかいご支援により、UNHCRレバノン事務所は2022年12月末までに防寒支援のための現金給付を、シリア難民180万5298人、イラク難民4万9113人、その他の国籍の難民を含む185万4000人に実施する事ができました。
防寒支援のための現金給付は、コロナ禍やウクライナ危機による社会経済危機の影響を受けた脆弱な難民の家族が、過酷な冬を乗り越えるために必要な冬服などの防寒用品や暖房代などにあてられ、大変大きな支援となりました。また支援により人々が食料、住居、水・衛生といった基本的ニーズを満たすことができただけではなく、脆弱な立場にある難民が搾取や児童労働、性労働、物乞い、児童婚などといった被害に遭うリスクを軽減することができました。現金給付支援は、レバノン国内のATMで受け取ることができるATMカードと暗証番号を通じて、難民世帯に給付されました。そして洪水など自然災害の影響を受けた地域に住む難民には、毛布や防水シート、寝袋などの緊急援助物資を届けました。
皆様からのご寄付のおかげで、過酷な環境下で冬を迎えたレバノンの難民の命を守ることができました。UNHCRレバノン事務所一同、心より御礼を申し上げます。

あたたかいご支援をありがとうございました。
皆様のご支援は、難民・国内避難民の大きな支えとなりました。

援助物資を受け取るシリアの子ども
ウクライナの母子

この度はUNHCRの防寒支援にあたたかいご協力をいただき、誠にありがとうございました。暖かい家も、十分な防寒具もなく迎えた冬に届けられた一枚の毛布やジャケットは、難民・国内避難民にとってどれほど大きな支えとなったことでしょう。皆様からのご支援のおかげで、UNHCRは戦禍にあるウクライナアフガニスタン2月の大地震でさらなる窮地に追い込まれたシリアなどの中東地域で厳しい冬を迎えた難民・国内避難民に、無事「あたたかさ」を届けることができました。
UNHCRは、今後も厳しい状況が続くウクライナやアフガニスタン、そしてシリア難民を含む一人でも多くの難民・国内避難民に寄り添い支え続けるため、援助活動を続けていきます。どうか引き続きあたたかいご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

UNHCRは故郷を追われた人々の命を生活を守るため、2023年も世界各国で難民・国内避難民等への救援活動を継続していきます。「国連難民サポーター」の皆様による毎月のご支援により、UNHCRは常に救援物資を備蓄し、緊急事態に対応できるだけではなく、学校教育や自立支援といった長期的な支援を進めることができます。ぜひ、毎月のご支援、または毎月のご支援の増額をご検討いただければ幸いです。

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