イエメンにおける2億9500万米ドルの資金不足によって危機に瀕する、命を救う人道支援
公開日 : 2023-03-08
サナア(イエメン)2023年2月27日 ― UNHCRは、戦争が始まって9年が経過するイエメン国内で深刻化する人道的ニーズに対応するため、さらなる働きかけとリソースの投入を呼びかけています。
イエメンでは、イエメン人、難民、庇護希望者を含む数百万人が、戦争、気候危機、経済悪化の影響を受けて、長引く避難と保護の危機に直面しています。
イエメンは依然として世界最悪の人道危機の一つであり、450万人が国内避難民となり、人口の3分の2以上が貧困ライン以下の生活をしています。その苦難にもかかわらず、イエメンのコミュニティは過密状態にありながら、他の紛争国からの難民や庇護希望者約10万人を受け入れています。UNHCRは、彼らの保護と人道的ニーズに取り組む唯一の国際機関です。2023年、イエメンでは2160万人が人道/保護支援を必要とすると国連は推定しています。
昨年4月には停戦協定が結ばれ、市民は一瞬の落ち着きを取り戻しました。国連の仲介による6か月間の休戦により、民間人の犠牲者は減少したのです。停戦中、新規の国内避難民は76%減少しました。現在、公式な停戦はなく、脆弱な政治・治安情勢が人々の生活を危機にさらしています。正式な和平協定は結ばれていないが、紛争が再開されたわけでもない、という不確実さが経済や生活のあらゆる面に大きな打撃を与えています。
「私たちは、イエメンで絶望的な状況にある人々の窮状を忘れてはなりません。この危機の大きさは、この紛争が始まって9年となる今、国中のすべての家族に影響を与えています」と、マヤ・アメラトゥンガ UNHCRイエメン代表は語りました。「私たちは痛ましいストーリーをよく知っています。あまりにもたくさんの人々が家を失い、愛する人を失い、生計を立てられなくなったのです。社会的なセーフティネットもなく必要なサービスも受けられないため、あらゆる脅威やリスクに対してより脆弱になり、深刻な精神的苦痛を受けています。」
イエメンで避難を強いられている93%もの家族が、怪我や精神的苦痛を感じながら生活している人、労働に従事している子ども、介護を受けられない高齢者など、脆弱な状況に置かれている家族を少なくとも1人は抱えています。長引く紛争や避難の影響に加え、生活手段や基本的なサービス、食料の不足が、保護リスクの増大を促しています。子どもたちは学校を退学し、多くの子どもたちは物乞いをしながら家族を支えるために働くことになります。未亡人やその他の独身女性が家世帯主になり、女子の早婚は多くの人にとって生存戦略となっています。
イエメンへの人道支援は依然として深刻な資金不足に陥っていますが、ニーズは増え続けています。「私たちは、イエメンで避難を強いられている人々が解決策を見つけようと奮闘している姿を目の当たりにしています」とアメラトゥンガ代表は付け加えました。「多くの人が、荒廃した地域に戻ったり、避難先のコミュニティに溶け込んだり、国内の別の場所に移転したりして、生活を立て直そうとしています。彼らもまた、生活再建のための援助を必要としています。」
支援が増えれば、法的/心理社会的支援、子どもやコミュニティの弱者を守るためのプログラムなど、弱い立場に置かれたより多く家族に援助やサービスを提供することができるようになります。また、UNHCRは最も弱い立場の人々が生命を守るためのニーズに対応するための現金給付プログラムや、多くのイエメン人に影響を与えている困難な住宅事情に対応するためのシェルタープログラムも実施しています。
今年これまでのところ、UNHCRが2023年のイエメンでの活動に必要な3億2000万米ドルのうち、わずか8%しか充足されていません。
イエメンの人々を見捨てることはできません。人々のニーズの大きさと規模は、世界の注目と支援に値するものです。UNHCRは、2月27日に開催されたイエメンに関するハイレベルの誓約会議【こちら(英語版)でご覧いただけます】で、安全な場所で尊厳のある生活を送るに値するイエメンの人々に思いを寄せるよう、国際社会に対して呼びかけています。
原文はこちら(英文)
UNHCR: Funding gap of US$295m in Yemen jeopardizes life-saving humanitarian aid
イエメンで人道支援を必要としている人、2160万人
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