この冬、ぬくもりを届けたい。シリア、ウクライナ、アフガニスタン…氷点下の凍える寒さが、家を追われた人々の命を危険にさらしています

皆様のご支援が、寒さに凍える難民の命を守ります。

ウクライナや中東での紛争終結が見通せず、世の中が分断化していく中で、世界で難民や国内避難民は過去最多の約1億2000万人となり、日本の人口と同じくらいの数の人々が家を追われています。
シリアは世界で最も多く難民を生み出している国の一つですが、厳しい冬が訪れています。戦争の続くウクライナ、長年人道危機に苦しむアフガニスタンなどでも、数百万人が家を追われたまま過酷な冬を迎えています。気温が零下20度にも達する地域もあり、UNHCRは防寒支援に全力を挙げていますが、資金が大幅に不足しており、今まさに時間との闘いです
すべての難民・国内避難民が、冬を乗り越え暖かい春を無事に迎えることができるように、故郷を追われ窮地にある人々に支援を届け、かけがえのない命を守ることができるよう、お力をお貸しいただけませんでしょうか。

気温、氷点下。その凍える手足を、暖めたい。

ウクライナ

破壊された家の上に立つウクライナの母子

「ここに、僕たちの家があった」

今、スヴィトラナさん(29歳)と息子のイワンくん(5歳)が立っているまさにこの場所に、家族で暮らしていた家はありました。建設業に携わる夫が建てた家です。ロシアによる侵攻が始まると家族で地下室に身を潜めていましたが、攻撃が激化したため、西部へ避難するしかありませんでした。数か月後に戻ってくると、家はロケット攻撃であとかたもなく破壊されていたのです。

援助物資を受け取るウクライナの母子

戦争で傷ついた人々に、暖かさを届けたい。

ウクライナでは戦闘が続いており、多くの人が家を破壊されたり、避難生活が長期化し過酷な状況にあります。冬は零下20度にもなる寒さから命を守るために、支援を急がなければなりません。爆撃でドネツク州の家を失い、避難してきたアンゼラさん(24歳・左下写真)と姪のリリヤちゃん(4歳)は、この日、UNHCRから毛布などの物資を受け取りました。「仕事を探すのも難しく、父は今も正規の仕事が見つかりません。85歳の祖母もいるのでここにとどまります。国連の現金給付を受けられて助かりました。ストーブ用の薪を買ったので、料理をしたり部屋をあたためたりできます」。

アフガニスタン

アフガニスタンの父子

「娘の熱は、一週間下がっていません」

アフガニスタンの首都カブール近郊に避難するグルさん(40歳)。一家は約10年前に、ジャララバードの戦闘を逃れてきました。寒さが厳しくなる中、娘のナジアちゃん(2歳)は前の週から熱があり、下がらないままです。また、アフガニスタンで最も高地にあるバーミヤン州で避難する父親、ジャリルさんも言います。「子どもたちは絶えず病気になっています。でも家を暖められないのです。家賃も払えず、この数か月のうちに家主に追い出されるのではないかと不安です」。

アフガニスタンの冬の様子

紛争、災害、食料危機。
苦しみの続く人々を、凍える寒さから守りたい

長年の紛争で、多くの難民、国内避難民を生み出してきたアフガニスタン。経済は崩壊し、干ばつや地震等の災害、食料価格の高騰などにより約2370万人が人道支援を必要とし、約290万人の5歳未満の子どもが急性栄養不良の危機にあります。また、2024年は大規模な洪水に幾度も見舞われ、多くの人が犠牲となり家を失いました。女性の就労・教育・外出等の制限により、女性が世帯主である家庭の困窮や、支援へのアクセスが困難になることも懸念されています。出典:Afghanistan Humanitarian Needs Overview 2024 など

シリア

シリア危機から14年。
簡素なシェルターや浸水する家に、ぬくもりを届けたい。

例年過酷な寒さとなるシリア北東部。冬の嵐で簡素なシェルターは壊れ、雨漏りや浸水することも多く、UNHCRは緊急に毛布や防水シート、マットレス、衣類、家族用テントなどを提供しています。シリアは2011年に危機が始まって以来、世界で最も難民を生み出している国の1つです。2023年にはトルコ・シリア大地震が発生し、再び多くの人が家を失い、今も簡素な避難場所で暮らしています。一方、隣国レバノンでの攻撃から逃れてくる人々は25万人超え(右下写真・シリア国境で保護を受ける人々)、緊急事態が続く中で、防寒支援は時間との闘いになっています。※2024年10月時点

レバノン

冬の嵐で、テントは水びたしに
極度の貧困と空爆。危機にさらされる命を守りたい。

シバさん(10歳)は、レバノン南部のベッカー高原に避難するシリア難民の少女です。雪の降り続く中で、洗濯物を取り込むシバさん。激しい雪の嵐でテントは水びたしになり、この日は朝から晩まで水をかき出すのに追われました。将来は弁護士になることを夢見ていますが、夢の実現は厳しい状況です。経済が破綻しているレバノンで、特にシリア難民は極度の貧困に陥っており、食事すら十分にとれず医療も受けられない家族も多くいます。また、イスラエルによる空爆が激化し多くの市民と難民が犠牲になっており、60万人以上がレバノン国内で家を追われています。冬は命を危険にさらす最も過酷な季節であり、支援が急務です。※2024年10月時点

レバノンでの軍事攻撃により、推定120万人が避難を強いられています

レバノンでのイスラエルによる攻撃で、多くの子どもを含む1万人以上が死亡。レバノン市民や同国で暮らすシリア難民など、推定120万人が家を追われ危機的な状況です。病院などインフラ施設も破壊され清潔な水や医療・教育へのアクセスが困難で、100万人以上が緊急に人道支援を必要としています。
レバノンも、北部等で冬には零下を記録し、毎年雪と嵐に見舞われます。UNHCRは緊急対応を急ぎ、全力で命を守る援助を現地で続行しています。

レバノン攻撃の様子
シェルターの様子

激しい攻撃を受けるレバノン(2024年9月)

シリア国境で保護を受ける人々

シリア・支援の現場からの手紙

UNHCRシリアダマスカス事務所 現金給付支援プログラム担当官 三浦貴顕

三浦職員

UNHCRシリア・ダマスカス事務所の三浦貴顕と申します。
日本でも、日に日に寒くなっているでしょうか。危機が始まってから14年、世界最大規模の約720万人という国内避難民を抱え、非常に厳しい状況にあるシリアも本格的な冬を迎えます。シリアの冬はすごく寒いです。気候の比較的穏やかな首都ダマスカスでも冷え込み、内陸部はさらに気温が下がります。沿岸部は冬には雨や雪が降り嵐になることも多く、洪水の危険があります。北東部に約10か所ある国内避難民キャンプでは、みなテントで生活しているのですが、冬には気温が氷点下になり過酷な寒さとなります。
シリアの家は作りが簡素で保温性があまりなく、底冷えしてすごく寒いので、シリア人は家の中でも常に厚着しています。燃料は不足している上に冬は価格が高騰し、電力の供給も十分になく、電気ヒーターやガスヒーターはあまり使えないので暖を取るのはとても大変です。
こうした状況を受けてUNHCRは、燃料や冬に必要なものを購入するための現金給付支援や、毛布やジャケットなどの防寒物資の提供、テントの張り替えや補修などを含むシェルター支援を急いでいます。

現金給付窓口
UNHCRの現金給付を受けるオマールさん

私は人道支援の仕事にかなり長く携わっておりますが、支援者の皆様からのご寄付がないと始まらない、と常に感じています。現場で難民・国内避難民と直接話し、「あれもなく、これもありません」「こうした支援をお願いします」という訴えを聞いても、資金がなければ現場でできることはなく、助けを必要とする人々を前に、やるせない気持ちを覚えます。日々現場で、ご支援くださっている方への感謝を忘れることはありません。
しかしながら、UNHCRは今、未曽有の資金難にあえいでいます。そして、シリアでの人道支援のニーズは常に増え続けています。この冬、人々が栄養のある食事をとり、教育や医療など必要なサービスを受けて冬を乗り切るためには、残念ながらまだまだ資金が足りていません。
かつて、UNHCRを率いた第八代国連難民高等弁務官の緒方貞子さんは、「まず、命を助けないと始まらない」と語りました。とにかく命さえ助かれば、その後で状況を改善することが可能になります。シリア人に限らず、ウクライナや世界中の難民・国内避難民の方を冬の寒さから助けることができるように、1人でも多くの日本人の方に支援いただければ幸いに存じます。

  • レバノンでの戦闘の激化により、42万1000人以上が国境を越えてシリアへ避難しており、その数は増え続けています。UNHCRは緊急事態宣言(レベル3:最大)を発令し、シリアでも緊急対応に全力を挙げています。
  • この情報は2024年10月時点のものです。

UNHCRは、防寒支援を急ピッチで進めています

防寒物資の提供
暖かい毛布や防寒着、手袋や帽子、タオル、マットレス等の寝具など、冬の寒さから守る物資を提供します。地域によっては発電機や暖房器具なども提供・設置します。
シェルター支援
破壊された家の修復支援、シェルターの屋根や窓、ドア等を防寒仕様に補強する支援などを行います。難民キャンプではテントの補強・補修や、排水システムなどインフラ設備の改善も行います。
現金給付支援
家族が冬に最も必要な物(燃料、暖房器具、防寒具、医薬品等)を購入したり、体調を崩した子どもの医療費等にあてるなど、世帯ごとの様々なニーズに対応できる、冬に欠かせない支援です。

難民の命と生活を守る、UNHCRの防寒支援

あなたのご支援で、また1人、この冬を暖かく過ごすことができます。
UNHCRと一緒に、難民のもとへ暖かさを届けましょう。

ご支援を心よりお待ちしています。

皆様のご支援でできること

※1ドル=149円換算

27,000円のご寄付
燃料や防寒具の購入、医療費に 現金給付と防水シート 約4家族分
15,000円のご寄付
凍える雪の日も家族を暖める暖房器具 約4家族分
9,000円のご寄付
冷え込む夜にくるまって眠れる暖かい毛布 約3家族分

※活動地域や為替により経費は変動するため、上記の金額は目安です。 皆様からのご支援は、防寒支援を含む資金を最も必要とするプロジェクトに活用させていただきます。

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、 難民の命を守り、保護する機関です。
緒方貞子さんとルワンダ難民
ルワンダ難民を訪問する緒方元高等弁務官
UNHCRは、シリア・アフガニスタン・ウクライナなど世界中で家を追われた難民・国内避難民を支援・保護し、水や食料、毛布などの物資の配布や、難民キャンプなど避難場所の提供、保護者を失った子どもの心のケアなど、最前線で援助活動に尽力しています。1991年から10年間、緒方貞子さんが日本人として初めてUNHCRのトップである国連難民高等弁務官を務めました。 
※紛争や迫害などのため命の危険があり、国外へ逃れた人を「難民」、国内で避難している人を「国内避難民」と呼びます。

よくあるご質問

Q 寄付は、寄附金控除の対象になりますか?
A はい、ご寄付は寄付金控除(税制上の優遇措置)の対象となります。お送りする領収証は、確定申告にご利用いただけます。
Q UNHCR駐日事務所と国連UNHCR協会はどのような関係にあるのですか?
A UNHCR駐日事務所は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が、現在世界約135か国に置く事務所のひとつであり、主に日本政府との窓口を務めています。国連UNHCR協会は、スイス・ジュネーブのUNHCR本部やUNHCR駐日事務所と連携して、日本における公式支援窓口として活動しています。
Q 毎月の寄付の金額は自由に決められますか?
A はい、月々1,000円以上であれば、500円単位で任意の金額をお選びいただけます。
Q 寄付はどのように使われますか?
A ご寄付は世界中で支えを待つ難民のために大切に使わせていただきます。難民支援のための予算は、重大性・緊急性などを考慮して配分されます。
Q 支援を停止する場合はどうすればいいですか?
A ご支援金額の変更や停止はいつでも可能です。0120-540-732(通話料無料)または、「毎月寄付の金額・寄付方法の変更、解約」ページよりお手続きをしていただけます。
皆様からのご寄付によって 多くの命が助かります。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
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